村田沙耶香さんの小説

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「世界99」につづき、「タダイマトビラ」を読みました。
こちらもなかなかの衝撃で、考えさせられました。
村田氏のインタビューで、「自分が母を搾取しているような気がする」と言っていたのが印象的でしたが、「世界99」でも、家事育児をになうことになった「ピョコルン」、と同時に「母ルン」が他人のために生きる人生を送ることにあきらめ(絶望?)しているくだりがあり。

「タダイマトビラ」でも、子を愛せない母というのが出てくるんだけど、それでも家事はやっていることを主人公は不思議に思っている。
確かに、ネグレクトで何もしないという母親もいるわけだから、家事をしているだけマシというのか何なのかわからない。
しかし実際大半の母親というのは毎日家事育児をしたり、それどころかもっとしないとと自責の念に襲われている人も多いだろう。
いまどきは父親でも平等にシェアしている人も多いかもしれないし、母親も専業主婦がすごく少なくなったと思われるので、家事育児だけしている人は少ないのかも。

搾取されているといえば、男性もまた生活のために働くわけだから同様に搾取されていると思うのか。
村田氏の小説って「ディストピア」って言われるらしいんだけど、確かに家族でお互いに搾取されていると思うようでは希望はないし、子供も「生まれてスミマセン」ってなってしまう。
「コンビニ人間」も海外でも高い評価を受けているとのことで、興味深い。
特に女性が、妊娠出産家事育児をすることについて(せざるを得ない)なんとなくしていたことをあらためて突きつけられて背筋が寒くなるような読後感がありますね。

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Posted by koneko